低温流通 モーダルシフトに伴う温度管理

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低温輸送中の温度変化

事業部門を横断した実験データの紹介です。下のグラフは、冷蔵(5℃以下)宅配便で、東北地方から埼玉県へ魚貝類を送った時の発泡スチロール箱の内部温度を示しています。宅配便の追跡情報から推測した輸送段階をグラフの中に示しています。集荷から開梱までの間、冷蔵状態は保たれていて、国内輸送品質の高さを改めて認識いたしました。

低温輸送時の輸送物の温度変化

各輸送段階の気付きを以下に示します。
 -出荷地域の輸送・保管温度(赤色と黄色)は温度の変化幅も少なく安定していた。
 -トラックの長期輸送段階(緑色)は温度の変化幅も少なく安定していた。
 -届け先周辺(水色)では、冷蔵温度範囲内で複数回の温度上昇・下降が見られた。
 -梱包箱を開けた瞬間から、急速に温度が上昇し始めた。
 繰り返しとなりますが、今回 国内輸送品質の高さを認識することができました。また、荷物の受け渡し段階で、温度変化が起こりえる可能性を確認できました。今後、国内でもモーダルシフトが進むと予想されるので、荷物受け渡し時の状況を把握することが必要となるかもしれません。長距離常温輸送時の事例を後半に紹介します。ご興味があれば、そちらもご確認ください。

評価に用いた製品の紹介


サーモボタン

ボタン電池タイプのコンパクトな温度ロガーです。測定温度範囲 -40℃~85℃, 0℃~125℃の2種類があります。データ記憶容量は2048データ, 4096データ, 8192データの3種類があります。データは、パソコンに専用リーダーを繋いで簡単に読み出すことができます。今回の話題提供で用いているものは品番 サーモボタン22L、温度範囲 -40℃~85℃, 分解能 0.1℃, 4096データを使用しました。現在 サーモボタンは、食品,医療品,検体等の輸送や保管温度管理に利用され始めています。
Button

メルトマーク

条件温度に達すると、ラベル中央の白丸が赤色に変色します。15℃から30℃の間を5℃間隔で取り揃えています。(写真は30℃(品番 MK-30)です。)今回は魚貝類の輸送を考慮して15℃(品番 MK-15)を使用しました。グラフで確認できるように、冷蔵輸送の場合 開梱後速やかに急激な温度変化が見られます。写真を撮るつもりで蓋を開けたので変色前の状況を撮影できましたが、過去には変色後しか撮影できませんでした。改めて気付いたことですが、利用方法によっては輸送中の開梱/いたずらを検知できる可能性もあります。
メルトマーク MK-30


日油技研工業では、食品衛生や流通温度にも利用できる低温用示温ラベルやカードそして簡易温度ロガーを取り揃えています。ご関心をお持ちの方は、示温材の製品ページも用意していますので、ご確認をよろしくお願いいたします。

長距離常温輸送時の温度変化

下のグラフは当社で開発した機材を20フィートコンテナでカナダへ輸出した時の温度変化を示しています。真夏を避けて出荷したのですが、出荷持ちの野積みの状態では30℃を超え、カナダ バンクーバーでは開梱待ちまでの間に3℃まで下がっていました。熱膨張係数の大きな素材と小さな素材を組み合わせて使用していた場合は出荷検査が合格で現地の検収試験が不合格になっていたかもしれません。
small_20ft-container-transit.png

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