UVプリンターとは?仕組みや印刷できるもの、使える場所などを解説

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この記事では、UVプリンターとは何か、その定義から独自の仕組みまでをわかりやすく解説します。

また、UVプリンターで実現できる具体的な用途や活用事例も紹介しているため、ビジネスや趣味での可能性を広げるヒントも得られます。


1. UVプリンターとは?

UVプリンターの定義

UVプリンターとは、紫外線(Ultra Violet)を照射することで瞬時に硬化する特殊なインクを使用し、様々な素材に直接印刷できるデジタルプリンターの一種です。インクジェット方式を採用しており、従来の印刷方式では難しかった立体物や凹凸のある素材にも鮮明なフルカラー印刷を可能にします。

この技術により、紙や布だけでなく、プラスチック、木材、金属、ガラス、革など、幅広い素材への高精細な印刷が実現できます。オンデマンド印刷にも適しており、小ロットから多品種生産まで柔軟に対応できる点が大きな特徴です。

UVプリンターの仕組み

UVプリンターの基本的な仕組みは、まず印刷データに基づき、プリンターヘッドからUV硬化型インクを素材の表面に直接噴射します。インクが着弾すると同時に、プリンターに搭載されたUV(紫外線)ランプがインクに紫外線を照射します。この紫外線エネルギーによってインク内の光重合開始剤が反応し、インクが瞬時に重合・硬化して定着します。

この「インク噴射」と「紫外線硬化」のプロセスを繰り返すことで、素材の表面に画像や文字が形成されます。インクが瞬時に硬化するため、印刷直後に触れてもインクが滲むことがなく、乾燥時間を待つ必要がないため、作業効率が高いというメリットがあります。また、素材の表面にインクが定着するため、下地の色に影響されにくく、鮮やかな発色が得られます。

2. UVプリンターで印刷できるもの

プラスチック・アクリル

プラスチックやアクリルは、UVプリンターで最も一般的に印刷される素材の一つです。スマートフォンケース、ICカード、キーホルダー、クリアファイル、プラスチック製の看板、アクリルスタンドなど、身の回りの多くの製品に利用されています。透明なアクリル素材に印刷することで、奥行きのある表現や、裏面から印刷して表面の保護を行うことも可能です。

活用例

スマートフォンケースやタブレットカバーへのオリジナルデザイン印刷

アクリルキーホルダー、アクリルスタンドの制作

プラスチック製ノベルティグッズ(ボールペン、USBメモリなど)への名入れやロゴ印刷

店舗のPOP、ディスプレイ、案内板などのサイン制作

木材・金属

UVプリンターは、木材や金属といった硬質な素材にも直接印刷が可能です。木材では、MDF、合板、無垢材などに、金属ではアルミ、ステンレス、真鍮などに印刷できます。素材本来の質感を生かしながら、フルカラーでデザインを施すことができ、高級感のある仕上がりが期待できます。特に金属素材への印刷では、インクの定着を良くするために専用のプライマー処理が必要な場合もあります。

活用例

木製看板、表札、コースター、記念品への印刷

金属製プレート、名刺、トロフィー、メダルへのデザイン印刷

工業製品の銘板やパネルへの表示印刷

建材(木製パネル、金属板)への装飾印刷

ガラス・セラミック

ガラスやセラミック製品にもUVプリンターで印刷が可能です。ガラス瓶、グラス、鏡、タイル、マグカップ、陶器など、透明感や光沢感のある素材に直接印刷することで、個性的なオリジナルグッズや装飾品を作成できます。ガラスへの印刷では、インクの密着性を高めるためのプライマー処理が推奨されることが多いです。食器類への印刷は、食品衛生法などの規制があるため、装飾用として利用されることが一般的です。

活用例

ガラス製ボトル、グラス、マグカップへのオリジナルデザイン印刷

タイルアート、陶器製オブジェへの装飾印刷

鏡やガラス板へのロゴ、イラスト印刷

ステンドグラス風の装飾品制作

革・布

UVプリンターは、革製品や一部の布製品にも印刷が可能です。革では、本革や合皮の財布、バッグ、キーケース、手帳カバーなどに、布では、ポリエステルなどの化繊素材や、前処理を施した綿素材のトートバッグやTシャツ、キャンバスなどに印刷できます。素材の風合いを損なわずに、耐久性のある印刷が実現します。特に革製品では、インクの層がわずかに盛り上がるため、触感のある独特の表現も可能です。

活用例

革製財布、バッグ、キーケースへの名入れやデザイン印刷

布製トートバッグ、ポーチへのオリジナルイラスト印刷

靴やスニーカーの一部へのカスタマイズ印刷

ジーンズやデニム製品へのワンポイントデザイン印刷

3. UVプリンターで作成できるもの

オリジナルグッズやノベルティ

UVプリンターは、スマートフォンケース、キーホルダー、アクリルスタンド、マグカップ、タンブラー、ペン、USBメモリ、ゴルフボールなど、多種多様なオリジナルグッズやノベルティの作成に活用されます。小ロットからの生産が可能で、一つひとつ異なるデザインや名入れにも対応できるため、個人向けのカスタマイズ品から、企業やイベント向けの販促品まで幅広く対応できます。鮮やかなフルカラー印刷はもちろん、インクの積層によって立体的な表現(エンボス加工など)も可能で、高い付加価値を持つ製品を生み出すことができます。

看板やディスプレイ

店舗の看板、案内板、イベント会場のブース装飾、展示会のパネル、POP(Point of Purchase)広告、フロアサインなど、様々な看板やディスプレイの製作にもUVプリンターは威力を発揮します。アクリル板、アルミ複合板、木材、発泡スチロールなど、多様な素材に直接印刷できるため、素材の質感を生かしたデザインが可能です。UVインクは耐候性や耐水性に優れているため、屋外での使用にも適しており、鮮明で耐久性の高い広告物を効率的に作成できます。

建築資材・建材

UVプリンターは、建築資材や建材のデザイン性を高める用途でも注目されています。例えば、内装の壁材、床材、ドア、パーテーション用のガラス、装飾タイル、木材パネル、化粧板、アクリル板などに直接印刷することで、オーダーメイドの空間演出が可能になります。耐久性、耐水性、さらには抗菌・抗ウイルス機能を持つインクを使用することで、機能性も付与できます。デザインの自由度が高く、少量からでもカスタマイズできるため、商業施設や住宅、公共施設など、様々な建築プロジェクトで独自の空間を創造するのに貢献します。

4. まとめ

UVプリンターは、UV(紫外線)でインクを硬化させることで、従来の印刷では難しかった立体物や特殊素材への印刷を可能にし、ビジネスやクリエイティブな活動に新たな価値と可能性をもたらす、現代のモノづくりに不可欠なツールと言えるでしょう。

UVプリンターを用いた印刷では、インクを適切に硬化させるための紫外線(UV)照射量の管理が極めて重要です。この管理が不十分だと、製品の品質低下や耐久性の問題に直結しかねません。

弊社の「UVラベル®」は、紫外線の照射有無やその強度を色の変化で視覚的に確認する事ができます。

UVラベル®の詳細は下記よりご覧ください。

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