滅菌コラム ~ケミカルインジケータ(CI)にかかわるアレコレ~vol.2

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ケミカルインジケータ(Chemical Indicator:頭文字を取ってCIと呼ばれています)は、滅菌を行う際のモニタリング方法の一つとして世界各国の医療・医薬の分野で使用されています。弊社ではこのCIの開発から製造までを一貫して行っていますが、本コラムではそのCIについて、複数回に分けて少し詳しく紹介していきたいと思います。

主に医療施設で滅菌時に用いられるケミカルインジケータ(CI)は、以下の通りタイプ1からタイプ6まで、6つのタイプに分類されています。

 


前回はタイプ1をご紹介しましたが、今回は タイプ3~6 をご紹介したいと思います(タイプ2は、毛色が異なるため最後にご紹介しますね)。

 

タイプ1は、パッと見て滅菌したか、していないかを分かるようお知らせする 包装外部用インジケータ”でした。

 

タイプ3~6は逆に、包装内部用インジケータと呼ばれます。

 

何故、包装の内部なのでしょうか…?

そこには滅菌包装材の特性が関わっています。

 

滅菌物(滅菌される医療機器などでRMD: Reusable medical device(再使用可能医療機器)とも呼ばれます)は、滅菌後も無菌性を保つために密封包装されています。

その包装材はもちろん

菌は通してはならないのですが(無菌バリア性)、一方で滅菌剤(蒸気やエチレンオキサイドガスなど)は通さなければならない(通気性)という2つの相反する特性を兼ね備えています。

 

通気性はあるけれども、かといって菌を通すほどスカスカであってはならない。この絶妙なバランスは、例えばフィルム-紙タイプの滅菌バッグだと、”滅菌紙“ と呼ばれる特殊な紙が機能することで成立しています(この話はまた後日、詳しくご紹介しますね)。


滅菌剤(蒸気やエチレンオキサイドガスなど)は、この包装材の特殊な紙を通過し、包装内に浸透することが必要になります。

浸透する際に一定の負荷が生じるため、包装内部のほうが包装外部より滅菌剤が到達しにくい。厳密にいえば、滅菌包装の外部と内部は完全には同じ状態にはならないのですね。

 

そのため、滅菌物が所定の滅菌条件に達したかどうかを確認するためのインジケータは “滅菌物のそば” つまり、包装の内部にある必要があります。

 

この包装内部用インジケータはタイプ3~6まで4つのタイプがあり、全て、滅菌物が所定の滅菌条件に達したかどうかを確認することが目的となります。

この” 滅菌に関わる条件“ですが “重要プロセス変数” と呼ばれ、例えば蒸気滅菌法では、温度時間蒸気の有無 の3つとなります。このいずれが欠けても滅菌は達成できないため、これら全てを検知するインジケータが求められます。

 

(段々込み入ってきました。細かいトコロは読み流してもらって大丈夫です 汗)

 

話を戻しますね。タイプ3~6は、まず、反応する重要プロセス変数の数が異なります。

  

タイプ3は反応する重要プロセス変数が1つだけのため、実務上、滅菌のモニタリングとしては不十分と考えられます。例えば、蒸気滅菌の場合、温度だけの達成を確認しても滅菌に重要なその他の変数である時間・蒸気については何もわからないためです。そのため、タイプ3の滅菌インジケータは日本では販売されていません(恐らく世界的にも。なら何故ISO規格化されているのかとツッコミたくなりますが…)。

 

また、タイプ4は2つ以上の重要プロセス変数に反応するとなっていますが、市場で販売されているタイプ4インジケータは全ての重要プロセス変数に反応するものが大半となっています。なぜなら、これも温度・時間・蒸気を全てモニタリングできる事が滅菌確認には必須であるためです。

 

ここで鋭い方は …ではタイプ4~6は同じなの? と思われたかもしれません。そうですね。これらは“反応する重要プロセス変数の数”だけではなく、もう一つ大事な要素で分類されます。

少し長くなってきたので次回、実際のインジケータの変色例をもとに、詳しくご紹介させて頂きますね。

 

ではまた!

 

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