
ケミカルインジケータ(Chemical Indicator:頭文字を取ってCIと呼ばれています)は、滅菌を行う際のモニタリング方法の一つとして世界各国の医療・医薬の分野で使用されています。弊社ではこのCIの開発から製造までを一貫して行っていますが、本コラムではそのCIについて、複数回に分けて少し詳しく紹介していきたいと思います。
主に医療施設で滅菌時に用いられるケミカルインジケータ(CI)は、以下の通りタイプ1からタイプ6まで、6つのタイプに分類されています。
タイプ毎に役割や性能が異なるので、それぞれご紹介していきますね。
今回はまず タイプ1 から
タイプ1は、シンプルながらとても大事なケミカルインジケータです。
突然ですが、質問です。ここに2つの滅菌物があります。どちらが滅菌したものでしょう?
これが一瞬で分かる人は、相当な滅菌熟練者ですね!
そう。滅菌したか、していないかは 滅菌されたモノをいくら眺めてもわかりません。ですが、現場でわからないとなったら一大事!そこで、誰でも一目でわかるポイントが必要です。
それを解決するのが タイプ1 のインジケータです。
タイプ1のインジケータはここに!あります。
弊社滅菌バッグですと、AC滅菌(蒸気滅菌)を経た際、上図のようにタイプ1のインジケータが白色から茶褐色へと変色します。ちなみに上の滅菌バッグはEOG滅菌(エチレンオキサイドガス滅菌)を経ると、右側のピンク色のインジケータが青色へと変色するAC/EOG両用となっています。
このタイプ1インジケータの別名は… “工程管理用インジケータ” その名の通り工程を管理するためのインジケータです。
滅菌していないものをもし間違えて払い出してしまったら…未滅菌の器材が使われてしまうという、患者さんが大変なリスクに晒されてしまうことになります。
そんな事を防ぐためにもタイプ1は “超” 重要なインジケータです!
このタイプ1インジケータですが、色々な形で使用されています。
先ほどご紹介した滅菌バッグの他にも…
滅菌テープやラベルなどにタイプ1インジケータが使われています。
これらは全て包装の外部に付けられます。何故でしょう…?
そう、タイプ1の役割は、パッと見て滅菌したか、していないかを分かるようお知らせすること!
ですので、パッと見てわかるところ=包装の外部に付けられるのですね。
そのため、 “包装外部用インジケータ” としても分類されています(別名が多くてややこしいですね。コラムが進んだら一旦まとめたいと思います)。
以上駆け足でしたが今回は、一見地味だけれど滅菌を行う上でとても大事な働きをする工程管理用インジケータ “タイプ1” のお話でした。
ではまた、次回は包装内部用インジケータ(タイプ3~6)についてご紹介したいと思います!